■療養型病院って、実際どうなの?働きやすいって聞くけど本当?
■療養型って、人間関係がめんどくさいって聞くけど、どうなの?
療養型病院は「ゆったりしていて働きやすい」「ママナースにぴったり」とよく言われます。
でも、実際の現場はどうなんでしょうか?
「急性期とは全然違うって聞くけど、どんなふうに違うの?」
「のんびり働けると思って転職して、後悔しないかな…?」
そんな不安や疑問を持つ方のために、実際に急性期から療養型病院へ転職したわたしの体験談をお届けします。
はじめに|この記事を書いた人
私は急性期病院で4年間働いた後に、派遣看護師、その後出産育児のブランクがあり療養型病院へ転職しました。
「療養型=のんびり、ゆったり、ママが働きやすい」というイメージを持っていましたが、実際に働いてみて驚いたことがたくさんありました。
この記事では、急性期から療養型へ転職した看護師のリアルな体験として、驚いたこと・ギャップを赤裸々に紹介します。

※個人の体験談を独断と偏見を持って書いてます(😂)
療養型病院を検討している方は、こんな話もあるんだ、程度の参考にしてくださいm(__)m
療養型病院に転職して驚いた15のこと
急性期病院から療養型病院の介護病棟に転職して驚いたことは15個あります。
① 勤務中にトイレに行ける!急性期とのギャップ
急性期では休憩時間以外にトイレに行くなんてとんでもないことでしたが、療養型ではその点のゆとりがあります。皆さん、ふつーにトイレに行ってて驚きました。
②プライベート筒抜け?濃すぎる人間関係に備えよう
業務時間中に立ち話をしている余裕があるせいか、「〇〇さんのお子さん、受験だったよね」「旦那さん単身赴任なのよね」など、家族構成や生活背景まで把握し合ってました。急性期では考えられなかった濃い人間関係です。
③ 病院なのに運動会?行事の多さに驚かないで
高齢者施設のような雰囲気もあり、秋の運動会や夏祭りなど、行事が思った以上に盛りだくさんでした。運動会やお祭りの準備委員会があったりして、当日は病院総出で盛り上げてました。
お祭りでは、普段、全粥しか召し上がらない患者さんが、タコ抜きたこ焼きを美味しそうに頬張ってる姿があったりして、ほのぼのしました。
④ 日々のバイタル測定は最小限!観察項目はほとんどないかも??
介護病棟だったこともあり、日々のバイタル測定は体温と脈拍だけでした。血圧測定は週に1回。ただ、その体温と脈拍測定だけでも、20人以上いたため、そこそこ時間はかかりました。
⑤ 日々のルーティンは“介護+処置”と心得ておこう
午前中は入浴介助が主で、脱衣・着衣・処置・経管などがルーティンワークでした。医療行為より介護業務の比率が高めです。
⑥ だいたい毎日摘便(…気のせいじゃない?)
お風呂場から「看護師さーん」と声がかかって、急いで行くとたいてい摘便でした。
私は、急性期のプリセプターチェックリストの摘便の項目が最後までチェックできなかったので、この療養型病院で腕を磨いてました。(そんなに技術は要らなかったですが…)
⑦日中に誰もいないリハビリ病棟
用事があって、リハビリ病棟に行くと…フロアには大きなテーブルがいくつかありましたが、患者さんは数名でした。後に、リハビリ病棟に異動になった人が「日中はリハビリに行ってしまうから、顔と名前が覚えられない…」と嘆いてました。
⑧ 「ママナース」には決して優しくない、育児と仕事の両立には工夫とサポートが必要
求人広告には「ママが大活躍中!」とありましたし、院内保育、夜間保育もありママナースが働きやすい環境だと思いましたが…
・常勤看護師の子どもが何回も発熱して当日欠勤が続くと、「常勤では厳しいからパートになるか、子どものお世話をお母さんや旦那さんに頼んで」と言われる
・「夜間保育日があるでしょ」と、容赦なく夜勤にガンガン入らされる
入職してみて求人広告と違うじゃん!と思いました…
⑨ 抑制NGの現場では経管自抜は日常茶飯事??
抑制を極力しない方針なので、経鼻の経管栄養が抜かれることもしばしば。男性患者さんのバルーンの自己抜去もありました…急性期との対応の違いに戸惑いました。
⑩ 介護職との連携必須!でも派閥トラブルには注意
病棟によっては介護スタッフの方が多く、チームの連携が重要になります。介護さんが主導で回している場面も。
基本的に女性中心の職場なので、派閥や上下関係も。巻き込まれないように気をつける必要があります。結構、皆さん愚痴ってました…
⑪ どこにでもいる“お局ナース”への対応スキルは必要
急性期病院でのお局ナースといえば、30代?40代?ですが、療養型のお局さんは…50代です。ガチのお局さんやんけ。
異動となると更に大騒ぎで「異動してくる〇〇さん、うちの病棟の△△さんと仲が悪いらしいよ」「〇〇さん、性格きついらしい」「A病棟で問題起こして、異動になるらしい」などなど、勤務年数が長い方だと色んな噂が駆け巡ります。
⑫ 70代スタッフも現役!年齢層の広さに戸惑わないで
看護師は20〜50代が中心ですが、介護スタッフは60〜70代の方も現役で活躍してました。あの人は患者さん?いやユニフォーム着てるし…?と戸惑いましたが、頑張って動いておられて尊敬してました。
⑬ 昇進は男性優位!? キャリアを意識するなら冷静に分析を
男性スタッフは介護士→准看護師→進学コース→正看護師→そして役職になって、あっという間に昇進というキャリアアップの道があったようです。(非公式)男性の方で正看護師になって、副主任になってから、あれよあれよという2年で看護長になった人も…
⑭ 看護部長の“癖の強さ”は病院ごとのカラーと受け止めて
看護部長の個性が強烈で、発言や方針に戸惑うことも…。病院のカラーなんだなと思いました。
⑮ 辞める前には副部長と面談…退職までにも準備が必要!
退職希望者には、直属の上司に伝え、その後に副部長との面談が必須でした。〇〇副部長の関所、とも言われており、急性期と比べて一人ひとりの退職に敏感な印象でした。
療養型で驚いたけど、良かったこと・きつかったこと
療養型で驚いたけど、良かったこと・きつかったことは下記です。
良かったこと
良かったこと | 理由・詳細 |
時間に余裕がある | トイレに行ける、休憩も確保できる |
高齢者とじっくり関われる | 世間話ができるくらいのゆとり |
点滴のスキルが磨かれる | ご高齢者、しかも食事が摂れなくての点滴指示で、基本的にすごい細い血管でも入れなければいけないので |
定時で帰れることが多い | 生活のリズムが安定してました |
きつかったこと
きつかったこと | 理由・詳細 |
バイタル測定がスムーズにできない | 関節の拘縮があって血圧計が巻きづらかったり、 手指冷感が強くてサチュレーションモニターが反応しなかったりするので‥ | 血圧測定時に動いたり、
医療スキル維持が不安になる | 病状変化が少ないためスキルアップに不安 |
人間関係が濃い | 派閥や噂話に巻き込まれることも |



病状変化が少ないので、ちょっとお休みが続いても、置いてかれる感はなく、全然大丈夫、という側面もあります
志望動機にどう活かす?|この体験が使える具体例
この経験は、志望動機にも活かせます。
たとえば、
- 「急性期では時間に追われる毎日で、患者さんと向き合うゆとりがなかった。療養型では、じっくり寄り添った看護をしたい」
- 「高齢者ケアの重要性を感じた」
といった表現にすると、前向きな印象になります。


まとめ|療養型病院はおすすめ?こんな人に向いています
療養型病院は、確かに「急性期よりもゆったり」「子育て中でも働きやすい」という面はありますが、
人間関係の濃さや、医療スキル維持の難しさなど、覚悟しておくべき点もあります。
✅ 向いている人
- 高齢者看護に興味がある
- 急性期の忙しさに疲れてしまった
- 定時で帰れる職場を探している
❌ 向いていない人
- 最新医療に携わりたい
- 人間関係に煩わされるのが苦手
- キャリアアップを最優先にしたい



【補足】
療養型病院を検討している方は、ぜひ複数の職場を見てから決めるのがおすすめです。
私が驚いたように、病院によって現場の雰囲気は違います。
「聞いてた話と違った…」と後悔しないためにも、事前の情報収集は本当に大切です。
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今の職場に不安があるなら、まずは情報収集から
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