■精神科の患者さんってどんな感じなんだろう?
■労働条件がいいから、気になるんだけど…
「精神科の患者さんって怖い?」って思ってませんか?
実際に働いてみると、怖い面もありますが、違った一面も見えてきます。
優しさや気遣いが感じられる瞬間もあり、ほかの科では見えにくい患者さんの素顔や人間味があふれています。
この記事を読めば、精神科の患者さんの特徴や、患者さん「あるある」で精神科の患者さんの実態が理解できます。
- 繊細で他人の変化に気づきやすい
- 表現力が豊か
- 感情の波が激しい
- うそや誇張が多い
- 感謝されにくい
- 依存的な行動が多い
- 予測不能な行動をとる
- ものを溜め込みがち
- 荷物が多い
- 決まった日に外出したがる
- 自分の要望をゴリ押し
- たまに暴れる
- おむつ介助時に抵抗する
- 入浴に抵抗しがち
- ワーク・ライフ・バランスがとりやすい
- 休憩がしっかりとれる
- 人間の内面に関われる
あづさ@アラフィフ看護師
精神科病院に7年間勤務。半径1メートル以内の独断と偏見のもとに書いてます。
私がいた精神科は小さな病院でしたが、大規模な精神科病院になると、内科系の病棟もあり、少し様子は違ってくるかと思います。
精神科患者さんの特徴7選
精神科の患者さんの特徴は下記です。
- 繊細で他人の変化に気づきやすい
- 表現力が豊か
- 感情の波が激しい
- うそや誇張がある
- 感謝されにくい
- 依存的な行動が多い
- 予測不能な行動をとる
繊細で他人の変化に気づきやすい
精神科の患者さんには、周囲の人の変化や細やかな感情に敏感に気づく、繊細な一面があります。
このような感受性は、現実と空想の境界があいまいになることで、他人の内面にも敏感になるとされています。
普段は自分のことに集中しがちですが、相手の状況次第では驚くほど優しく接してくれる瞬間があります。
私が病気になったときのことです。
手術は控えてましたが、症状は出てなかったので、いつも通り勤務してました。
普段は空想の世界に生きている患者さんが、私に優しく声をかけ、励ましてくれたことがありました。
本能的に人の変化に気づくのでしょうか。
精神科の患者さんが持つ本質的な優しさを強く感じました。
表現力が豊か
精神科の患者さんには、美術や音楽を通じて自分を表現する人が多いです。
現実と空想の間で生きる人も多く、そこから生まれる想像力や感性が独特な輝きを放っています
自分の内面や感情に向きあっているからこそ、その深い感受性が表現力として現れます。
作業療法での作品は、独特の色彩感覚や、きれいな配色があったりします。
このように、精神科の患者さんの表現力は、ただの言葉や絵以上の価値を持ち、深い人間性を感じさせてくれます。
感情の波が激しい
精神科患者さんは、感情の起伏が激しいことが多く、対応が難しい場合があります。
精神的な疾患を抱えている患者さんは、急に感情が高ぶったり、落ち込んだりすることが頻繁にあります。
これにより、看護師も振り回されやすく、精神的な疲労を感じることが多いです。
朝は穏やかに話していた患者さんが、夕方には理由もなく怒りだし、攻撃的な態度を取ることがあります。
こういった感情の変動に対応するのは精神的に負担があります。
感情の波が激しい患者さんには、看護師の対応力と忍耐力が求められます。
うそや誇張がある
精神科患者さんには、うそをついたり、話しを誇張する人がいます。
現実と向きあえないこころの表れでもあります。
精神的に不安定な状態では、現実逃避や自己防衛のためにうそをつくことがよくあります。
看護師は患者さんの言葉をすべて信じず、慎重に対応しなければなりません。
患者さんが「〇〇さん(スタッフ名)から、△△をしていいと言われた」などうそをつくことがあります。
実際に病棟内では許可されていない△△なのに、しかもスタッフの〇〇さんにはすぐに確認できないのを知っていて、自分の利益になるようにうそをついたりします。
うそや誇張が多い患者さんに対しては、冷静で柔軟な対応が必要です。
「患者さんを信用してはいけない」というのは、一般科ではあり得ない、悲しいことですが…
感謝されにくい
精神科患者さんは、看護師に対して感謝の気持ちを表すことが少ないです。
多くの精神科患者さんは、自分自身の感情や状態で精一杯で、他者のサポートに感謝をしめす余裕がありません。
むしろ、イライラや不満をぶつけられることも多いです。
熱心にサポートしている看護師に対して、「何もしてくれない!」と怒りだす患者さんもいます。
感謝されないどころか、逆に非難されることも珍しくありません。
精神科の看護は、感謝されることを期待できない場面が多く、自己満足や自己管理が大切です。
依存的な行動がある
精神科患者さんは、看護師や他者に対して依存的な行動を取ることがあります。
患者さんは、自立する力が弱まっているため、看護師や他のスタッフに常に頼ろうとする傾向があります。
患者さんの不安や無力感からくる自然な反応ですが、看護師にとっては負担になることもあります。
自分でできるのに「できない」「できなくなった」と言って、スタッフにしてもらおうとすることがあります。
他者に依存することで安心感を得ようとするのです。
依存的な患者さんに対しては、適切な距離感を保ちながらも、安心感を与える対応が大切です。
予測不能な行動をとる
精神科患者さんは、ときどき予測不能な行動をとることがあり、看護師は警戒心をもって看護をする必要があります。
精神科患者さんは、感情や思考のコントロールが困難なため、突発的にリスクのある行動を取ることがあります。
看護師の対応には素早い判断力と柔軟性が求められます。
物を壊す、非常ベルを鳴らす、ドアを開けた瞬間にドアをめがけて走り出す、予測できない行動に出ることがあります。
そういった場面では、常に先回りして行動することが必要です。
予測不能な行動を取る患者さんに対しては、看護師は警戒を怠らず、柔軟に対応する姿勢が必要です。
食堂に消火剤をまかれたこともありました…
精神科患者さんあるある
精神科の患者さんあるあるは下記です。
- ものを溜め込みがち
- 荷物が多い
- 決まった日に外出したがる
- 自分の要望をゴリ押し
- たまに暴れる
- おむつ介助時に抵抗する
- 入浴介助で抵抗
患者さんがものを溜め込みがち
精神科の患者さんは、物を捨てられず溜め込む傾向があります。
これは、不安感や執着心が原因となっていることが多いです。
物を手放すことで感じる喪失感や、物に安心感を求める心理が影響しています。
ゴミや日用品を大量に溜め込み、ベッド周りや部屋全体が雑然としているケースをよく見かけます。
数ヶ月分の新聞や包装紙などを手放せず、片付けをお願いしても抵抗をされます…
こうした傾向は精神科では珍しいことではなく、看護師はその心理的背景を理解しつつ、その患者さんにあった対応することが求められます。
荷物が多い患者さんがいる
患者さんの中には、まるで引っ越しをしてきたかのように荷物が多いかたがいます。
このような行動も、不安や執着、安心感を得たいという心理が原因です。
自分の所有物に囲まれることで、安心感や安定感を感じていると考えられます。
ベッドの下やロッカー・床頭台に私物を大量に詰めこみ、看護師が整理を促しても、
「これは自分にとって大事なものだから」と一切手放さないかたもいます。
ベッドマットレスの下にも、雑誌の切り抜きなどを挟んでるかたもいました…
看護師は、患者さんの安心感を尊重しつつも、衛生面や安全面を考えながら慎重に対応する必要があります。
決まった日に外出する
精神科の患者さんには、特定の曜日や時間に外出したがる方が多いです。
規則的な行動が彼らにとって安定感をもたらすからです。
日常のパターンやルーチンに固執することで、日々の生活に一定の秩序を感じ、心の安定を保とうとしています。
ある患者さんは毎週火曜日にコンビニに行くことを強く希望し、スケジュールの変更にはとても強い抵抗を示したりします。
看護師は、患者さんの安心感を優先しながらも、時には柔軟に対応することが大切です。
自分の要望をゴリ押ししてくる
一部の患者さんは、自分の要求を通そうと強く主張することがあります。
精神的な不安定さから、自己主張が強くなるケースが多いです。
自分の意見や希望が無視されると感じることで、さらに不安やストレスが増すことがあります。
薬の時間を変更したい、部屋を替えたい、食事の形態を変えてほしい、などの要望を何度も何度も繰り返し、看護師に強く求めてくることがあります。
看護師は、こうした要望に対しても適切に対応し、患者さんとの信頼関係を築くことが求められます。
たまに暴れる
精神科では、患者さんが突然興奮状態になり、暴れだすことがあります。
精神的な不安定さやストレスが限界に達したときに起こることが多いです。
環境の変化やストレスがきっかけとなり、突発的に暴力的な行動を取ることもあります。
自分の要求が通らなかったときに、ゴミ箱を蹴る、イスを投げる、非常ボタンを押す、激しく抵抗する、暴言を吐く、などありました…
こうした場面では、まず安全を最優先にし、冷静に対応することが大切です。
おむつ介助時に抵抗あり
おむつ交換時に抵抗をする患者さんもいます。
プライドや羞恥心が原因で、自分の体に触れられることに強い抵抗を感じるかたもいます。
自分がしたいことではないから、激しく抵抗するのでは?と感じますが…
介助のときに手を払ったり、大声を出して抵抗されたり、スタッフ泣かせの患者さんもいます。
側臥位になるように声をかけて介助しても、側臥位になって頂けなかったり、側臥位に介助しても元に戻ろうと反発もします。
おむつ交換はしなければいけないので、2人がかりや3人がかりですることも珍しくありません…
入浴介助時に抵抗
入浴に強い抵抗をする患者さんもいます。
自分が「今は入浴したくない」「入浴する意味がわからない」「清潔に気を配れない」ことが原因です。
精神疾患のある患者さんは「自分が中心」なので、「今は入浴したくない」と思えば抵抗します。
声をかけても、お風呂場に行くのも拒否する。
お風呂場に行く途中で、罵声をあびせられたり、つねられたり、かまれたりします。
お風呂介助の時間は、声掛けと罵声が飛びかう、ちょっとした戦場になったりします。
お風呂に入ってしまえば「さっぱりした」と言ってくれたりするので、まだ報われますが…
精神科看護師として働くメリット
精神科看護師として働くメリットは以下の3つです。
ワークライフバランスがとりやすい
精神科看護師は一般科と比べ、ワークライフバランスがとりやすい環境です。
精神科病院では定時に上がれるので規則的な生活リズムを保ちやすい職場が多いです。
残業も少なく、家庭やプライベートを大事にできるので、ライフステージにあわせた働きかたが可能です。
子育てや介護をしながら働く看護師も精神科には多く、出産後の復職に選ぶ人もいます。
精神科は身体的ケアに関わる業務が少ないため、体力負担も抑えられる点もメリットのひとつです。
ただ小さな病院だと、患者さんが高齢になり、
介護が必要になっていることもあります…
精神科看護は生活とのバランスを大切にしたい人にはピッタリの選択肢です。
休憩がしっかりとれ、リフレッシュできる時間がある
精神科の勤務では一般科とは違い、休憩がしっかりとれ、リフレッシュできる時間があります。
一般科では業務が多く、昼休憩も短時間で済ませる必要があります。
精神科病棟は急変が少ないため、スケジュールに沿ってしっかりと休憩がとれる職場が多いです。
昼休憩も「お昼ごはんをかきこむ時間だけ」といった忙しさが少なく、十分な休憩を確保しやすいため、身体的にも精神的にもリフレッシュできます。
和室の休憩室にはこたつがあり、冬になるとみんなで昼寝してました✨️
休憩がしっかりと取れるので心身の負担が軽減され、患者さんに対してもよい看護を提供できることが、精神科の大きな魅力です。
人間の内面に深く関われる
精神科看護師としての最大の魅力は、患者の内面に深く関わり、心理的な支えとして寄りそうことができる点です。
精神科では患者さんのこころの状態や感情、思考パターンに焦点を当てた看護が求められます。
患者さんの日常生活の変化や感情の波に寄りそって、治療をサポートする役割だからです。
患者さんが不安定な精神状態から少しずつ落ち着きを取り戻し、自己を取り戻していく過程に立ち会うことができます。
なかなか難しいですが…嬉しい瞬間です
患者さんのこころに寄りそえる精神科看護は、ほかの診療科にはない特別な魅力です。
まとめ
精神科の患者さんは「やっぱり怖い」と感じるかもしれません。
ただ接するうちに、繊細さや優しさに気づく瞬間もあります。
深い人間関係で仕事ができるのは、精神科看護師ならではの魅力のひとつです。
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